【自然派ワインは不味い?!】流行りの“ナチュール”との付き合い方

ワインの知識

自然派ワインは美味しくないの?

テレビやSNSでも取り上げられ、若者からワイン愛好家にも人気の“自然派ワイン”。ここ数年で自然派ワインのみを扱う酒屋や飲食店もかなり増えてきているように見えます。

しかし、流行るのと同時にSNSでは自然派ワインが苦手な方々の投稿も目立っているように思えます。

ナチュールワインとかも同じでクソ不味いのばかり。
堀江貴文

この投稿は、「化学調味料不使用の不味いラーメン屋さんに対して、無添加にして無駄なハードルを上げる必要はないのでは」という投稿に対しての返信をしたもの。果たして自然派ワインって美味しくないものなのか?

ワイン初心者くん
ワイン初心者くん

堀江さんてワイン愛好家のはずだけどこの辛口コメント…。ということは本当に自然派ワインって美味しくないものなのかな?

そもそも自然派ワインって何?

英語だと「Natural Wine(ナチュラルワイン)」。フランス語だと「Vin Nature(ヴァン・ナチュール)」といいます。皆さんが「ナチュール」と言っているのは実はフランス語からなんですね。

自然派ワインとは栽培・醸造の過程で、極力人の手を介さないで作るワインのことで、決まった定義はありません。かなり曖昧な言葉なんです。例えば以下の特徴があります。

  • 亜硫酸塩、SO2(酸化防止剤)を一切使用しない、もしくは少量のみ使用する
  • 化学肥料や農薬、除草剤を使用しない(有機栽培)
  • 天然酵母による発酵を行う  など

「オーガニック」や「ビオディナミ」など聞いたことがあるかもしれませんが、これも自然派ワインの一種です。ただこの二つは農法のことです。難しい話ですが、オーガニックワインやビオワインと言われているものでも、醸造の過程では人的介入をしているワインもたくさんあります。一言に「自然派ワイン」と言っても様々な流派があるため、一概には言えないのです。

自然派ワインのデメリット

ワインにはオフフレーバーと呼ばれる(欠陥臭)があります。よく聞くのは「ブショネ」。これはコルク栓に寄生する微生物によって発生する「TCA(トリクロロアニソール)」によるもので、湿った段ボールやカビのような匂いがしてしまい、ワインの味にも大きく影響します。

自然派ワインのデメリットは酸化防止剤や防腐剤を極力使わないがために、微生物の影響を受けやすく汚染されてしまいやすいことです。それが独特な味わいや香りを生み出します。

ちなみに自然派ワインによく出る香りの欠陥は以下の通りです。

  • ブレット(フェノレ):4-ビニルフェノールや4-エチルフェノールが関連するといわれており、汚染された赤ワインは馬小屋のような、白ワインはキューピー人形や薬品などの香りがします。
  • 揮発酸:酢酸エチルや酢酸などが代表的で、ボンドや除光液、ビネガー、セメダイン系の香りがします。
  • 還元臭:タマネギ、マッチ棒、煙、火打石、腐った卵、下水臭、ゴム臭などの硫黄系化合物によるもので、ワイン熟成中の酸欠などが原因です。
  • ネズミ臭:腐敗酵母やバクテリアに感染した際に発生すると言われており、海外では「ネズミ臭」と表現されますが、日本では「豆臭」と言われることが多いです。
ワイン初心者くん
ワイン初心者くん

よく「このワイン豆ってる」や「明日には豆りそう」と言っている人がいるけど、このネズミ臭のことだったのか!僕はこの豆ったワインと言われているものも美味しく感じたけど…。

ブショネのワインはクラシカルなワインでも多く見受けられます。ブショネはお店で交換や返金してもらえるケースもあります。

しかし上記のブレッド、揮発酸、還元臭、ネズミ臭のあるワインは現在返品交換や返金ができません。理由は、個人的な見解なのですが、まだ科学でも原因が証明されていないからなのでしょう…。

自然派ワインを選ぶということは、こういった欠陥のあるものを選ぶ可能性もあるいうことなのです。

それでも自然派ワインがおすすめの理由

しかし自然派ワインには、飲んでみないとわからない魅力がたくさんあります。自然派ワイン独特の味わいとオフフレーバーが相まって、美味しい液体になっていることも多々あるのです。

自然派ワインをおすすめしたい理由は以下の通りです。

  • 酸化防止剤や添加物が不使用もしくは、少量のみしか使われていないため、頭痛や二日酔いになりにくい
ワイン初心者くん
ワイン初心者くん

次の日の朝、頭痛がしない!一般的なワインを飲んだ時とコンディションが全然違う!ワインが体質に合わない方にもいいんじゃないかな?体に優しいって嬉しいなあ。

  • 添加物や化学物質の影響がないのでブドウ本来の風味やピュアな味わいを感じられる
  • その土地の自然環境(テロワール)も反映しやすく個性を感じやすい
ワイン初心者くん
ワイン初心者くん

本当に純粋な「ぶどう酒」って感じのものが多いな。果実そのものの甘みも感じられて、大人のブドウジュースって感じがクセになりそう!造り手の個性も豊かでいろんな種類を飲んでみたくなるね。

  • 有機栽培やバイオダイナミック農法などを実践している生産者が多く、土壌や生態系の負担が少ない。
ワイン初心者くん
ワイン初心者くん

「持続可能な農法」をすることで地域経済の支援、環境保護活動にもなるね。SDGsの今の世の中にぴったりなお酒ってことか〜。

自然派ワインとの付き合い方

なんだか自然派ワイン、飲んでみたくなりますよね。ではどのように付き合っていったらいいのでしょう。

自然派ワインとうまく付き合っていくためには以下の方法があります。

  1. 冷暗所での保管、開封後は早めに飲み切る
    保存料も最小限のため、一般的なワインよりも酸化するのが早いです。
  2. おすすめの温度で飲む
    温度によってだいぶ風味も変わります。
  3. それぞれの個性を楽しむ
    人的介入が少ないワインのため、環境の影響を大きく受けます。気候や造り方が変わると前年と味わいが大きく変わることも多いです。そういった変化も自然派ワインを楽しむ上での醍醐味となります。
  4. 造り手の情熱を感じてみる
    自然派ということは、肥料や機械を使わない「楽ではない方法」で作っているということです。そこには生産者の思いが詰まっているはず。ぜひその情熱も感じながら飲んでみてください。
ワイン初心者くん
ワイン初心者くん

情熱かぁ、面白いな!僕には細かいことはわからないからまずは店員さんにおすすめを聞いてみよう。

ワインを購入する際は、飲む時の適正温度だけじゃなくそのワインの背景まで聞いてみると、より一層自然派ワインの魅力に気づくことができます。ぜひお店に行ったら店員さんに聞いてみてください。

本日は以上です。飲まず嫌いはせず、一緒にワインを楽しみましょう!

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